今回のテーマは【筑波大学附属小学校】です。
文京地区の一角にある伝統校
東京都文京区大塚に所在する筑波大学附属小学校は、日本国の制度による公私立で初めての小学校です。日本の小学校教育(初等教育)のパイオニアで、国内外問わず年間1万人以上の研究者が訪問する教育実践校です。
元々は東京教育大学の校地であった大塚の校地には、夜間の社会人大学院である筑波大学の東京キャンパス文教校舎(通称・大塚キャンパス)が存在します。
併設校の筑波大学附属中学へは在校生の約8割が進学でき、中学から筑波大学附属高校へも約8割が内部進学ができます。ちなみに、筑波大学への内部進学制度は一切ないため、もし筑波大学への進学を希望する場合は通常の大学入学試験を突破する必要があります。
附属高校の大学受験合格実績は凄まじいものがありますが、小中高すべてで受験のための勉強は行っていないため、教科書の理解が不足している部分は自分自身で補う必要があります。そのため、他の国立大学附属校にも言えることですが、在籍児童の通塾率は高いです。
筑波大学の研究者による研究施設という色合いが強く、子供たちは最先端の教育を受けることができます。
日本一の受験者数を誇る
最先端の教育を受けられるうえ、国立の小学校であるため学費が私立に比べて安価であること、指定通学地域が広いこと(東京23区、西東京市、埼玉県和光市)など、受験のための良い条件が重なる筑波大学附属小学校は、日本一の志願者数を集めることでも知られています。
2回の抽選と約1時間の考査を経て合格者を選抜します。男女あわせて志願者数は4000人前後(!!)で、一次の抽選でそこからそれぞれ半数(1000人程度)に絞られます。
※コロナ禍の二次試験の密を避けるためか、ここ2年は700人程度にまで絞られるなど、一次抽選の当選の確率はさらに減少しています。
二次試験を経て2回目の抽選を通過した男女それぞれ64人が合格を手にすることができる、志願倍率約30倍の難関です。
二次試験の考査はもちろん、2回の抽選を突破する運も味方につける必要があります。
スピードが求められる考査
ペーパー試験の内容や、集団テスト、運動テストの内容自体は、超難問といったものはあまり課されません。2020年度の考査日程を見ても、一次選考の抽選から二次選考まで約2カ月の「準備期間」がありますので、難関私立小学校の受験の準備をていねいに行ってきたお子様であれば、十分対応可能です。
ただし、この3つのテストにかかる時間が1時間と、かなりの短時間勝負です。つまり、1問にかけられる時間が短く、その分テキパキと課題をこなさなければならない、ということでもあります。問題に即座に対応できる瞬発力が必要ですので、やはり自頭の良さを試されていると言えます。
また、国立大学附属小の、ひいてはお受験界の伝統芸能ともいえる「クマ走り」は毎年必ず課されます。こちらも練習必須です。
保護者対象の作文試験もあり
一次試験突破の子供たちが二次試験の最中、保護者には別室にて作文試験が課されます。時間は例年20分と、こちらもかなり短時間です。
内容は、筑波大学附属小学校の教育について(体力をかなり要する郊外活動がある点についての考え、2年間学校の役員を担うことへの意見、etc.)、現代の教育についての問題点、子育てする上での問題解決方法など、普段から家庭でのしっかりとした考えがなければ書けない内容が問われます。
一か八かで受験するのもアリですが(そのようなご家庭が多いからこその日本一の志願者数なのですが)、2度の抽選を除いては、やはり普段からの対策が奏功することは間違いありません。
私立小学校の受験対策をしていて、なおかつ通学圏内に居住しておられるご家庭でしたら、挑戦する価値は十分あります。運さえ味方につけて、本気で合格を勝ち取る心意気で臨みましょう!
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